都市計画論文集
Print ISSN : 1348-284X
第39回学術研究論文発表会
セッションID: 89
会議情報

二酸化炭素排出量削減のためのモーダルシフト実証実験とその評価に関する研究
*高橋 洋二
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

わが国は2008から2012までに1990年比で6%の二酸化炭素を削減することを京都議定書(COP3)で約束している。わが国の二酸化炭素排出量の約2割が運輸部門から出されており、そのうち4分の1が物流を担う貨物車に起因している。 政府は貨物車から鉄道や船舶へモーダルシフトすることにより、440万tの二酸化炭素を削減する計画が立てている。企業がモーダルシフトにより二酸化炭素排出量を削減する場合、その費用の一部を国が助成する実証実験制度が2002年に創設され、これまでの2年間に44件が採択された。プロジェクトの審査は、単位補助金あたりの二酸化炭素削減量の多いものから採択する、オークション方式を採用している。 その結果、排出原単位の小さい鉄道にシフトするプロジェクトが多く採択されている。併せて行われたアンケート調査によれば、企業のなかには二酸化炭素削減のためのプロジェクトを独自に進めているところも多い。しかし、国の計画である440万tを削減するには、現行の補助金をはるかに超える予算が必要なことも明らかになった。

著者関連情報
© 2004 公益社団法人 日本都市計画学会
前の記事 次の記事
feedback
Top