都市計画論文集
Print ISSN : 1348-284X
第39回学術研究論文発表会
セッションID: 92
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定期券データを用いた中量軌道システムの駅勢圏解析
北九州都市モノレールを対象として
宮下 清栄*渡邉 健太郎
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抄録

環境制約などから、公共交通の利用促進と都市のコンパクト化が促されているが、公共交通への手段転換は現在のところそれ程無い。しかし、公共交通優先型開発(TOD)や歩いて暮らせるまちづくりは今後一層重要な施策である。都市モノレールなどの中量軌道システムの歩行空間の質を考慮した駅勢圏の算定と端末交通手段であるバス及び自転車も考慮した駅勢圏の特性を把握することが重要である。本研究では、北九州都市モノレールを研究対象とし、定期券購入者データとGISを用いてモノレール利用者の駅勢圏の把握と特性を明らかにすることを目的としている。研究の結果から以下のことが言える。(1)定期券によるモノレール利用者は広域的で主に学生が利用している。これらの利用者は、モノレールの沿線区域人口の少なさを補っている。(2)ネットワーク解析を行った結果、沿線地区において、今まで考えられてきた駅勢圏よりも定期購入者の利用は広域であり、バスとの乗り継ぎ駅では、更に駅勢圏は拡大する。(3)郊外沿線地区の公共交通空白地区では、交通施策と歩道整備により利用者のアクセシビリティーは向上し利用促進につながる可能性がある。

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© 2004 公益社団法人 日本都市計画学会
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