近年、整備後に年数を経た都市公園では、管理不足の状態が課題となっているケースがあり、現状を放置すれば、公園内施設の劣化・破損が進行し、バンダリズムを誘因するおそれもある。イギリスでは、政府は1996年に遺産宝くじ基金による都市公園事業の制度を整備して都市公園の再生・管理を進めている。本研究は、ニューカッスル市の歴史的な中規模都市公園であるリーザス公園を事例として、施設配置計画の変遷および再生に関連する制度の検討を行い、歴史的な都市公園の再生過程の特徴について明らかにすることを目的とする。結果から、リーザス公園が公園消滅の危機にまで至った要因には、自治体の財政難による維持管理の不足、開発への圧力が関連することが判明した。リーザス公園の再生過程においては、市民による継続的な活動の展開、都市公園事業による再生、再生計画における歴史性の再評価が特徴であることが判明した。