本研究では、マルシェの担い手がマルシェに関わることにより気持ちの変化が生じている、またコロナ禍でマルシェがいっそう重要になっているという仮説のもと、地方部のマルシェの現状を把握し、マルシェの担い手が持つマルシェに対する思いを明確にするとともに、マルシェに関わることによる変化を捉え、コロナ禍を経験したマルシェの担い手が思うマルシェの重要性を明らかにすることを目的とした。 調査を行った結果、事例調査では、行政と民間の間でマルシェの意識にずれがあることが分かった。運営体制に関しては、年代や性別、メンバーの総数に関して偏りが特に見られず、誰でも運営メンバーとなる可能性が考えられる。また、運営者の意識に関しては、コロナ禍社会への反映やマルシェに関する独自性が表れるものとなった。出店形態や出店者の意識に関しては、性別差が特に感じられた。具体的には、男女での出店内容や出店開始年に差があるといったことである。 本研究では他の都道府県のマルシェの調査をできなかったが、実現できれば社会背景や気候などを踏まえたさらに深い考察ができたと考えられる。