2022 年 33 巻 p. 45-46
組合土地区画整理事業において地権者の円滑な同意は、事業進捗を左右する重要な要素である。特に換地設計作業は、減歩負担の割合を決めるための土地評価と土地の再配置計画を決めることから、土地区画整理事業の根幹となる作業であると同時に今後の土地利用に大きく影響するため、地権者の関心は非常に高い。このため円滑に地権者の同意を得るためには、公平性を保ちながら様々な配慮や工夫が求められる。 本論文の事例地区においては、地権者の土地利用の意向に沿った換地設計を行うため、組合独自に土地利用ゾーニングを設定すると同時に、各ゾーンへの申出換地手法を採用することで、地権者の土地利用意向に沿ったゾーンに換地することを可能とした。さらに、仮換地指定の前に個別説明会を実施し、地権者に対し換地設計の内容説明を実施した。 これらの方策により地権者の仮換地に対する理解が促進され、円滑な同意取得によるスムーズな仮換地指定を実現した。