抄録
神戸市都心部では、コンパクトにまとまった市街地に、個性豊かな地区が複数存在しており、それらが都心の魅力を構成している。しかし、来街者の訪問先は、鉄道駅周辺のごく限られた範囲内に留まっており、回遊性に乏しいことが従来から問題となっている。そこで本研究では、神戸市の都心商業地域における来街者への調査結果をもとに、歩行者による回遊行動の特性を分析することを目的としている。具体的には、来街者による地域内での回遊時間・回遊距離・訪問店舗数・消費金額を算出して回遊行動の実態を把握するとともに、それらの指標に影響を及ぼす要因を数量化Ⅰ類分析によって明らかにしている。