抄録
本研究は、市街地再開発事業によって建設されたビル(再開発ビル)の空き床解消に向けた施策である公共施設の導入の改善を目的としている。市街地再開発事業が完了した地区において、竣工後に公共施設が導入された再開発ビルを対象とした。自治体や管理会社へのヒアリング調査結果から、公共施設導入によって施設利用者の満足度の向上やビル来館者の増加などの効果が得られたことが分かった。一方で、公共施設が導入されたことによって他の空き床に新しいテナントが入居するなどの波及的な効果が得られた事例は少なく、それらの事例では自治体・管理会社・ビル内民間店舗等の協力があることが分かった。