2019 年 17 巻 p. 53-56
近年、空き家が増加しており空き家利用が注目されている。本研究は、農村部における空き家の利用による地域や個人の生活への影響と地域特性との関係を明らかにし、より有効的な空き家利用について考察することを目的とする。兵庫県篠山市を対象として、空き家バンクの登録物件や実際に利用された空き家の調査から、篠山市における空き家の利用状況を明らかにした。市内の3地区を選定し、住民へのアンケート調査から空き家利用が与える影響と地域による比較を行った。その結果、古い空き家は十分に活用されておらず、空き家利用の影響には地域ごとの差が見られるため、市町村より小さな単位での対策が必要であると結論づけている。