2021 年 19 巻 p. 5-8
本研究は、京都府舞鶴市における逆線引きの運用のプロセスとその課題を明らかにしている。市は、土地利用状 況や人口動向などの独自に定めた逆線引きの基準により、逆線引き候補地を選定している。合意形成においては、 住民説明会に加えて、区域区分に関する権限を持つ京都府との調整に時間を要した。日本全国で人口減少が進む中 で、逆線引きの必要性が高まることが予想されるため、逆線引きに関する基準を国が示すことが求められる。また、 舞鶴市のように、一都市で一都市計画区分を持つ自治体については、区域区分運用権限を市町へ委譲することが、 行政の負担軽減につながり、逆線引きの積極的な活用につながるであろう。