抄録
本研究では都市部に位置する駅前広場の交流空間を対象に,日常的な交流機能の観点から,プランニング及びデザイン特性を分析し,その在り方を探った。プランニング特性では,交流空間面積が10%から40%と高い水準で確保され、駅と交流空間との接続性が高い交流空間中心型や交流空間接続型といった配置も確認できた。デザイン特性では,飲食といった個人での快適な滞留には,着座装置の正面への段差や植栽、照明灯、背面への植栽の導入を伴った円形の着座装置の設置が有効であると言える。また、知人との会話といった親密な交流には、歩行者動線に近く、立ち寄りやすい位置への着座装置の設置、人を眺めるといった間接的な他者との交流には、通行量の多い歩行者動線や遊びが発生する広場を眺められる空間への着座装置の設置が有効であると言える。