抄録
本研究は、JR和歌山駅を事例として、駅まち空間の起点となる駅ビルのあり方を検討するために、駅ビルの利用実態、利用者の回遊実態を明らかにした。
駅ビルの利用実態について、利用者が多い店は、飲食店、書店、キャラクターグッズ、生活雑貨、ドラックストアであることを把握した。利用者の回遊実態について、「改札口→駅ビル」は「出入口→駅ビル」の人数より多く、B1と1Fの改札口から出る人は2Fの改札口から出る人より店舗に立ち寄る傾向が高いことを明らかにした。飲食店、書店の利用者は改札からの人が多く、コーヒー店の利用者は出入口からの人が多いことを明らかにした。駅ビルの店舗をバランスよく配置することで、回遊経路が分散するように配慮されていることがうかがえる。