抄録
本研究は、豊能町の高山・牧地区における棚田を主体とした農空間を有する地区の空間的・物的環境特性を捉えた上で、保全活動団体やその関係、取り組みの特徴について調査・分析を行い、棚田を主体とする農空間の今後の保全手法を探ることを目的とした。高山の棚田では農のふるさと協力隊やNPOふるさとおこし協議会が田以外の畑やぶどう畑として耕作し、牧の棚田では地元協議会が中心となりコープこうべなど外部の団体と連携を取り保全活動を行っていることが分かった。また、高山の棚田では耕作放棄地利活用の活動がコミュニケーション機会としての役割を果たし、牧の棚田では棚田保全のみならず、活動団体による食育を通じた環境教育や竹林整備など、農空間の保全に資する波及効果などが示された。