抄録
本稿では京都市を具体例に宿泊施設と地域社会の共生に関する基礎的研究として、長期的・総合的視点での「旅館・ホテル」「簡易宿所」の立地動向を調査し、「宿泊施設の建築等に係る地域との調和のための手続要綱」の仕組みを解明することで今後の立地規制を模索することを目的とした。調査分析の結果、➀2種の宿泊施設の立地分析から東山区は特異な傾向を持つこと、②「旅館・ホテル」は大通り沿い等の交通利便性が高い場所に立地し、「簡易宿所」は観光地周辺や路地内部に立地すること、➂南区は要綱制定後に立地が増加しており新たな対応の検討段階であることが明らかになった。以上を踏まえ、「調和要綱」の仕組み等に課題はないが、宿泊施設立地に関する規制を新たに設ける段階であることが示唆された。