抄録
序論:多くの市民ランナーが用いているにもかかわらず十分なエビデンスがない「マラソン前の30km走の効果」について、エビデンスレベルの高いRCTで検証することが我々の研究課題で
ある。RCTの実施にあたっては、交絡因子の影響を最小化し、様々なバイアス(選択バイアス、
評価バイアス、多重性等)を避けるため、介入実験を開始する際、研究プロトコ-ルを公開す
ることが重要となるため、事前公開する。このプロトコ-ルは、国際的なRCTのガイドライン
であるCONSORT 2010 Statementに基づき、JCOG(日本臨床腫瘍グループ)のプロトコールマニュ
アルにしたがって作成した。研究の目的:「マラソン4週前の30km走」がマラソンのパフォーマ
ンスに及ぼす影響を、RCTを用いて明らかにし、トレーニング法の信頼性・有効性を明らかに
する。主要評価項目はゴール記録の達成指数、副次的評価項目はランニングスピードの変化率、
前半ランニングスピードと後半ランニングスピードの変化率とする。
実験デザイン: 大阪マラソン、泉州国際マラソン、京都マラソンの参加予定者から実験参加
者を募る。実験参加者をランダムに30km走を実施する強介入群と,通常のトレーニングである
10kmを実施する弱介入群に分け、実際のマラソン8週前からトレーニングを実施する。30km走、
10km走以外のトレーニングを強介入群、弱介入群ともに同様なものにするため、実験参加者に
対して、マラソンでの自己記録更新をめざすための効率的なトレーニングスケジュールを提供
し、それにしたがってトレーニングを実施してもらう。このスケジュールは,20km走程度を上
限とし自己記録更新を狙った効率的で安全性の高いものとする.スケジュールの実施率を高い
ものにするため、担当コーチが実験参加者からメールで相談を受ける。また「Google form」
を活用しトレーニングログを記録させ、トレーニング実施状況を把握しトレーニング実施率を
算出する。なお、トレーニングログは走行距離と運動強度の情報を含むものとする。最終的に、
マラソンの記録を用いてパフォーマンスを測定し評価項目とする。インターネット上で公開さ
れているレース記録(10km毎)を、実験参加者のナンバーカード等から取得する。事前に実験参
加者に記載させた過去3年間の自己記録とマラソンのゴール記録から記録の達成率を算出し、
主要評価項目とする。また、ランニングスピードの変化率、前半ランニングスピードと後半ラ
ンニングスピードの変化率を副次的評価項目とする。強介入群と弱介入群において、評価項目
に差が見られるかを分析する。