抄録
偽性麻痺を呈する腱板断裂20例に対する鏡視下腱板修復術の成績を調査し,さらに急性外傷の有無で治療成績を比較検討した.評価項目は,自動可動域,徒手筋力テスト,疼痛VASスコア,JOAスコア,Constantスコア,SANEスコア,術後MRIでの再断裂,経過中の合併症とし,術前と術後1年で比較した.術後,下垂位外旋と内旋の可動域を除くすべての項目,スコアが有意に改善した.急性外傷の有無による治療成績には有意差がなかった.再断裂は4例に認め,そのうち2例は偽性麻痺が残存した.再断裂例は非再断裂例に比べ,有意に術前の腱板筋の脂肪変性が進んでいる症例が多かった.偽性麻痺を呈する腱板断裂であっても,鏡視下修復術の成績はおおむね良好であり,関節症性変化がなければ腱板修復を第一選択として考慮すべきと考える.ただし,脂肪変性が進んだ症例では,再断裂や偽性麻痺が残存する場合があり,手術適応は慎重に検討する必要があると考える.