日本トレーニング指導学会大会プログラム・抄録集
Online ISSN : 2434-3323
Print ISSN : 2433-7773
第12回日本トレーニング指導学会大会
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口頭発表
Drop Squatが伸張性RFDと減速パフォーマンスに及ぼす影響
*木本 朗寛勝家 海大吉田 知史篠原 純司
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会議録・要旨集 オープンアクセス

p. 17-

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抄録
【トレーニング現場へのアイデア】Drop Squat(DS)は短縮性Rate of Force Development(RFD) や跳躍高などの加速パフォーマンスにおける効果の検証が実施されている。しかしながら、DS の介入研究において伸張性RFDや減速パフォーマンスに対する効果の検証を実施した研究は少 ない。本研究の結果はアメリカンフットボールなどのような減速パフォーマンスが競技力に影 響するスポーツにおいて有用であると考える。【目的】本研究ではDSが伸張性RFDおよび減速パ フォーマンスに及ぼす影響について検証することとした。【方法】測定環境:大学内体育館  介入環境:大学内トレーニング実習室 参加者:健康な男子大学生16名を対象として介入群 8名(身長171.0±4.6 cm、体重63.5±9.0 kg、年齢19.5±1.2 歳)とコントロール群8名(身長 170.3±8.5 cm、体重62.3±5.4 kg、年齢21.3±0.7 歳)に分類した。測定手順:介入群では DSを自体重の30%負荷で週に2セッションを4週間(計8セッション)実施した。介入前後でカウ ンタームーブメントジャンプ(CMJ)、5yd走、10yd走、プロアジリティテストを測定した。CMJ は床反力計(Sports Sensing社、動的バランス評価システム SS-FP40UD-SY)を使用し伸張性 RFD (N/sec)を算出した。伸張性RFDはCMJ開始後から離地までの床反力の最大値と最小値の差 を、その時間で除し、算出した。5yd走、10yd走、プロアジリティテストは光電管(S-CADE社、 VoltOnoSprint)を使用し測定した。減速パフォーマンスの値(sec)は“プロアジリティテスト のタイム-(10yd走のタイム+5yd走のタイム×2)”で算出した。コントロール群はPre測定の4週 間後にPost測定を実施した。統計分析:各群の測定項目において介入前後の変化量(Δ)を算出 し、対応のないt検定を行った。 有意水準は5%未満とした。【結果】分析の結果、伸張性RFD では介入群、コントロール群において有意差は認められなかった(介入群Δ=620.86±1187.17 N/sec、コントロール群Δ=229.22±668.17 N/sec、p=0.639)。また、減速パフォーマンスにお いても介入群、コントロール群で有意差は認められなかった(介入群Δ= -0.11±0.19 sec、コ ントロール群Δ= -0.21±0.19 sec、p=0.137)。【考察】本研究では4週間のDSが伸張性RFDと減 速パフォーマンスに及ぼす影響を検証した。結果、伸張性RFDおよび減速パフォーマンスとも に有意な効果を示さなかった。理由として介入期間、回数、負荷量が適切ではなかった可能性 がある。今後は、DSの介入方法についてさらに研究を進めていきたい。
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