論文ID: 2024-009
【目的】上肢集中練習(Constraint-Induced movement therapy:以下,CI療法)を実施した例を対象に,転帰先決定における上肢機能の目安を推測すること。
【方法】対象はCI療法を実施した自宅退院群20例,回復期転院群44例。これらの基礎的情報およびFugl Mayer Assessment上肢運動項目(以下,FMA上肢運動項目)とFunctional independence measure(以下,FIM)をリハビリテーション開始時,上肢集中練習開始時,退院時で調査した。
【結果】開始時FMA上肢運動項目カットオフ値は47.0点であった。FMA上肢運動項目およびFIMの経過について分散分析からは2群とも有意差を認め,転帰とFIMに交互作用があった。目的変数を開始時FMA上肢運動項目においた重回帰分析では,転帰,開始時FIMとも有意差を認め交互作用も寄与した。
【結論】自宅退院における上肢機能の目安として,開始時FMA上肢運動項目47点が抽出された。ただし転帰先の決定にはADL経過も含め検討していく必要がある。