総合理学療法学
Online ISSN : 2436-388X
Print ISSN : 2436-3871
脳卒中後上肢麻痺を呈した対象者の在宅復帰に必要な上肢機能の検討
徳田 和宏海瀬 一也竹林 崇小山 隆藤田 敏晃
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ジャーナル オープンアクセス 早期公開

論文ID: 2024-009

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抄録

【目的】上肢集中練習(Constraint-Induced movement therapy:以下,CI療法)を実施した例を対象に,転帰先決定における上肢機能の目安を推測すること。

【方法】対象はCI療法を実施した自宅退院群20例,回復期転院群44例。これらの基礎的情報およびFugl Mayer Assessment上肢運動項目(以下,FMA上肢運動項目)とFunctional independence measure(以下,FIM)をリハビリテーション開始時,上肢集中練習開始時,退院時で調査した。

【結果】開始時FMA上肢運動項目カットオフ値は47.0点であった。FMA上肢運動項目およびFIMの経過について分散分析からは2群とも有意差を認め,転帰とFIMに交互作用があった。目的変数を開始時FMA上肢運動項目においた重回帰分析では,転帰,開始時FIMとも有意差を認め交互作用も寄与した。

【結論】自宅退院における上肢機能の目安として,開始時FMA上肢運動項目47点が抽出された。ただし転帰先の決定にはADL経過も含め検討していく必要がある。

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© 2024 一般社団法人 大阪府理学療法士会生涯学習センター
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