本研究の目的は、助産師の内診による診断技術の発達を明らかにすることである。
助産学生および助産師が内診シミュレータで8パターンの内診を行い、ビショップスコア5 項目の診断とその他観察した内容について調査し、分娩介助例数別(学生群、99 例以下群、100 ~ 199 例群、200例以上群)で比較した。
対象者は助産学生24 名(37.5%)、助産師40 名 (62.5%) であった。助産師の分娩介助例数別の人数は99 例以下群17 名、100 ~ 199 例群9 名、200 例以上群14名であった。分析の結果、ビショップスコア5項目のうち「展退」「子宮頸部硬度」「子宮口位置」は分娩介助例数が多い群の方が診断一致率は高く、経験を重ねるにつれ診断技術が向上していくと考えられた。一方「児頭下降度」について、分娩介助例数が多い群の方が診断一致率は低いという先行研究と同様の結果となり、その原因を解明する必要があることが示された。