2021 年 12 巻 1 号 p. 1_33-1_37
保健医療専門職を目指す学生が在学中に小児医療に関わるボランティア活動を経験することの意義や効果を検討したいと考え,在学中に活動に参加した9名の卒業生を対象に,小児医療に関わるボランティア活動に参加したことで得た経験や学びについて,半構成面接調査を実施した.
調査の結果,調査対象者は活動を通じて子どもという対象の理解や,子どもとの関わり方を学ぶことができたと共に,小児医療施設の現状や人的環境,家族支援の必要性についても学ぶことができていた.
現在の医療従事者としての活動に与えている影響として,子どもに積極的に関わることができるようになったこと,家族も対象者として捉える姿勢をもつことができていることが挙げられた.
活動を通じて,子どもの特徴や家族が置かれている状況について学ぶことができ,医療従事者となった現在の職場での対象者理解の広がりや家族支援にも活かされていると考えられた.