2021 年 12 巻 1 号 p. 1_27-1_31
目的:大学教員の指導のもと,病院に勤務する作業療法士がプロボノとして集合住宅在住の高齢者を対象に介護予防教室を実施し,その効果を検証することとした.
方法:集合住宅在住の高齢者を対象に,作業療法士がプロボノとして介護予防教室を月に1 度,計3 回実施した.介護予防教室では,転倒予防,交通安全,介護・認知症予防をテーマに,グループワーク中心のプログラムを実施した.介入前後にてSF-12 や介護予防チェックリストの変化を比較するために,Wilcoxon 符号順位検定を行った.
結果:継続参加者は11 名であり,平均年齢は78.4 ±8.3 歳であった.介入前後でSF-12 の日常役割機能(身体)のみ有意に増加する傾向(p = 0.058)を示した.
結論:プロボノの作業療法士による介護予防教室が,集合住宅在住の高齢者の健康関連QOL の日常役割機能(身体)に影響を及ぼす可能性が示唆された.