2021 年 12 巻 1 号 p. 1_83-1_88
千葉県からの要請に基づき,本学看護学科教員10名は,4月20日から5月末まで,交代で新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の軽症者向け宿泊療養施設に派遣された.そこでの活動と学び・課題を報告する.
看護学科看護系教員が配属された現地事務局の「保健医療班」の所掌は,①入所者の健康管理,②医療相談,③PCR関係業務,④スタッフの健康管理,⑤衛生物品の管理とされ,安全で現実的,効率的な活動を模索しながら活動した.
活動から得た学びは,COVID-19により縮小した入所者の権利を速やかに回復し不安を減弱すること,状況に応じた衛生物品の見直し・確保・確実な感染予防策の実施,スタッフの健康管理と長期的な活動体制づくりの重要性であった.課題は,早期からの組織的な入所者のメンタルヘルスケアと,スタッフのCOVID-19への感染リスクの不安を減弱し社会的スティグマを防止し安心して活動できる状況を整えることであった.