2022 年 13 巻 1 号 p. 1_39-1_44
目的:一般病院に勤務する看護師のフィジカルアセスメント(以下PA)技術修得に関する学習ニーズを明らかにする.
方法:研究参加に同意の得られた300床以上の病院に所属する卒後3年以上の看護師を対象とした.調査内容は,学生時代・就職後のPAの学習経験,系統別・症候別PA学習ニーズであり,各項目の単純集計を行った.自由記載への回答は質的に分析した.
結果:研究協力施設は9施設,回答数は103(回収率38.1%),平均経験年数 14.6年であった.PA学習経験について,学習経験のない対象者が11.7%であった.学習ニーズが高かったのは,系統別PAでは循環器系,呼吸器系,症候別PAではショック状態,胸痛・動悸であった.自由記載からは5つのカテゴリーが見いだされた.
考察:生命危機に直結するPA技術修得の学習ニーズが高いことや,臨床判断能力の向上に関する関心の高さが明らかとなり,これらの学習ニーズを満たすPAの教材作成が必要との示唆を得た.