千葉県立保健医療大学紀要
Online ISSN : 2433-5533
Print ISSN : 1884-9326
原著
卵巣摘出ラットで発症する脂質代謝異常に対する難消化性食品成分の改善効果の検討
金澤 匠土橋 昇
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2013 年 4 巻 1 号 p. 1_3-1_9

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抄録
 卵巣を摘出されたラットではエストロゲン欠乏が生じ,高コレステロール血症や肝臓への脂肪蓄積などを引き起こす.本研究では,卵巣摘出ラット(OVXラット)における脂質代謝異常の改善を目的として,食品に含まれる難消化性成分の効果について検討を行った.難消化性成分を含む食品として低グルテリン米「ゆめかなえ」,食物繊維のペクチンを用いた.また標準米として「コシヒカリ」を用いた.
 コシヒカリ米粉の摂取によりOVXラットの血中コレステロール濃度が他の群に比べて低値を示した.ペクチンの摂取で肝機能低下に伴うBUNの減少を抑制する傾向が見られ,肝機能低下を改善する可能性が示唆された.ペクチン摂取はビフィズス菌を顕著に増加させた.また,コシヒカリ及びゆめかなえの米粉摂取では乳酸菌を増加させる傾向が見られた.
 今回の結果から,コシヒカリ及びゆめかなえの米粉やペクチンの摂取によりOVXラットにおける腸内細菌叢の悪化が改善されることが示唆された.さらにコシヒカリ米粉の摂取はOVXラットの血中コレステロール濃度を減少させるかもしれない.
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© 2013 千葉県立保健医療大学
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