2013 年 4 巻 1 号 p. 1_33-1_40
本研究の目的は,外来通院がん患者と家族が,がんを抱えながらも自分らしく療養生活を送るために,外来の場で看護師にどのような関わりを求めているかを明らかにすることである.患者会に所属する外来通院がん患者と家族42名を,患者会ごとに5つのグループに編成しグループインタビューを行い,得られたデータを質的記述的に分析した.分析の結果,外来通院がん患者と家族が求める外来看護師の関わりは92得られ,それらは意味内容の類似性から,患者と話す時間を看護師自ら作る,話しやすい落ち着いた雰囲気で関わる,患者の病状や生活背景をよく理解して関わる,患者の気持ちを受け止め寄り添う,病気や治療についてわかりやすく説明する,問題解決方法を一緒に考える,患者が自宅で困ったときに電話相談に応じる,患者を励ます,など22にまとめられた.これらの22の関わりは,関わりの機会を作り出すことについての要望,患者や家族に関わる上での外来看護師の知識・態度についての要望,患者や家族への関わり方についての要望,と考えられた.