2013 年 4 巻 1 号 p. 1_41-1_46
本研究の目的は,がん患者を対象としたサポートグループ(以下SG)の評価方法を検討するために,和文献のレビューを通して,SG参加者はSGにおいてどのような体験をしているか,また,SGの評価はどのような方法で行われているかを明らかにすることである.
医学中央雑誌を用い発行年数を2000年~2012年に限定してキーワード検索した結果,対象文献は「SG参加者の体験を明らかにしている研究」が12件,「SGの評価をしている研究」が8件であった.多くのSG参加者に共通して見られた体験は,「参加者同士の交流によるカタルシスと分かち合いに関する体験」等5つであった.SGの評価は短期・長期的評価とも多くの場合が既存の測定尺度や自作の質問紙を用いていた.尺度を用いた量的評価はSGの評価に有効と考えられたが,特に長期的評価においては,尺度では捉えきれない参加者の体験を質的に継続して評価する必要性が示唆された.