千葉県立保健医療大学紀要
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Print ISSN : 1884-9326
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在宅強化型介護老人保健施設に関する文献検討
─在宅復帰率の向上に向けた取り組みと課題─
佐伯 恭子鳥田 美紀代杉本 知子上野 佳代
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2016 年 7 巻 1 号 p. 1_43-1_49

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抄録
 平成24年度の介護報酬改定では在宅強化型の基本報酬が創設され,介護老人保健施設(以下,老健)から在宅に戻る流れが推進されているが,算定を取得している施設は少ない.そこで,在宅強化型の算定を取得した老健でおこなわれている実際の取り組みと,現状における課題を明らかにすることを目的に文献検討をおこなった.
 文献検索は,医学中央雑誌Web版などを用いておこなった.文献は2012年以降のものとし,検索のキーワードは「介護老人保健施設」「在宅強化型」「在宅復帰」「在宅療養支援」とした.その結果,在宅強化型老健に関する文献は32件が抽出された.
 在宅強化型老健における在宅復帰率向上に向けた実際の取り組みは,〈入所前や入所時点で入所目的を明確化〉,〈リハビリテーションの重視〉,〈在宅介護が可能かもしれないと思えるための家族支援〉など,現状における課題は,《ベッド稼働率の低下》や《入退所が増えることによる業務負担増加》などであった.
 在宅強化型老健で在宅復帰率を向上させるためには,利用者個々に対する在宅復帰のための具体的な目標を利用者や家族とともに設定し,その目標に向かって多職種協働でかかわることが重要であると考えられた.
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© 2016 千葉県立保健医療大学
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