千葉県立保健医療大学紀要
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短報
経口抗がん剤治療を受けている外来患者に対する看護実践上の課題
小坂 美智代高田 麻依子
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2016 年 7 巻 1 号 p. 1_37-1_41

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抄録

 経口抗がん剤治療を受けている外来患者に対する看護実践上の課題を明らかにすることを目的とし,外来看護師13名に半構造化面接を実施した.分析の結果,看護実践上の課題は,【関わりたくても介入そのものを阻む業務の多忙さ】【業務体制や組織の取決めによる,経口抗がん剤治療を受けている患者と関わる機会そのものの限界】【外来看護の専門性を発揮していくことへの組織的障壁】【外来看護師として経口抗がん剤治療を受けている患者に関わる必要性を意識することの難しさ】【服薬コンプライアンスの不備やセルフケアの確立が難しい患者の存在】の5項目に集約された.この看護実践上の課題は組織的要因が基盤にあることから,組織内・外での外来看護の重要性への理解を深め,看護の専門性が発揮できるような意識変容や組織マネジメントの必要性が示唆された.

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© 2016 千葉県立保健医療大学
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