2018 年 9 巻 1 号 p. 1_11-1_16
介護保険施設と訪問看護ステーションにおけるセカンドキャリア看護職(以下、SCNと略す)の雇用の実態や雇用者側のニーズを明らかにし、SCN雇用の推進について検討することを目的とした。郵送法による質問紙調査を行い、調査対象施設は千葉県内の介護老人保健施設、介護老人福祉施設、訪問看護ステーション、合計640施設とした。149施設から返送があり、有効回答は147部であった。SCNを雇用している施設は68.7%であり、SCN雇用は人員不足の解消だけでなく看護の質向上や雰囲気づくりにも貢献していた。SCN雇用の意向を示す施設は88.4%であり、SCNに同じ施設での看護経験に加えその施設の特性に合わせた看護経験を求めていた。また、施設のSCN活用への期待は高く、SCN雇用の受け入れ体制が整えられていた。今後はSCNの能力やキャリアの見極めやキャリアを報酬に反映させることが課題であり、一方でSCNを希望する者には、施設が求めるキャリアを積み上げていくことが望まれる。