千葉県立保健医療大学紀要
Online ISSN : 2433-5533
Print ISSN : 1884-9326
原著
臨床看護師のフィジカルアセスメント技術修得に関わる経験
河部 房子今井 宏美椿 祥子植村 由美子石田 陽子鈴木 惠子小髙 亜由美
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2018 年 9 巻 1 号 p. 1_17-1_25

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抄録
 本研究の目的は、看護系大学においてフィジカルアセスメント(以下PA)教育を受けて卒業し現在病院に勤務している看護師を対象に、就職後どのようにPA技術を修得してきたのか、その経験を明らかにすることである。看護系大学を卒業後1年以上5年以内の看護師7名に対して半構成的面接調査を実施し、結果を質的統合法(KJ法)にて分析した。
 分析の結果、PA技術修得につながった経験として、A【看護実践の中にPAが位置づくことによるPAの目的や重要性に対する理解の深まり】、B【教材活用と現実の患者にPAを適用する体験の蓄積による五感の先鋭化】、C【PA所見に対する他者との判断過程のつきあわせによる、看護判断能力の向上】等、7つのシンボルマークが抽出された。
 看護基礎教育においては、PAの意義や重要性を実感できるような教育内容を検討し、学生時代から現実の患者に対してPAを実施する体験を重ねる必要があると考えられた。さらに今後、PA技術を構造化し、卒後の技術修得過程を視野に入れた教育内容を検討する必要性が示唆された。
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© 2018 千葉県立保健医療大学
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