臨床リウマチ
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原著
抗TNF製剤スイッチング療法におけるアダリムマブ投与の臨床成績
三橋 尚志万波 健二
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2010 年 22 巻 2 号 p. 180-186

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抄録
目的:既存の抗TNF製剤不応性の関節リウマチ(RA)患者にアダリムマブ(ADA)を投与し,その臨床効果を検討した.
方法:対象は抗TNF製剤(エタネルセプトETAおよびインフリキシマブINF)不応性のRA患者55例(男性13例,女性42例)で,ADA40mgを2週間隔で皮下注射し,6カ月間経過観察を行った.ADAの効果判定はDAS28CRPを用いてEULARの判定基準で行った.
結果:55例中6カ月間投与継続し得たのは36例で,moderate response以上が30例であった.前使用薬の内訳はETA+INF23例,ETA30例,INF2例であり,同じ抗体製剤であるINF不応例に対しても高い有効性を示した.副作用として皮疹・掻痒感,注射部位紅斑が多かったが,注射部位紅斑はメトトレキサート併用例において発現頻度が低かった.
結論:ADAは既存の抗TNF製剤不応のRA患者に対して有用性が高いと考えられた.
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© 2010 一般社団法人日本臨床リウマチ学会
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