臨床リウマチ
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原著
プロトコルに沿ったインフリキシマブ増量の有用性の検討 ―低疾患活動性を目指したT2Tの実践―
大友 耕太郎栗田 崇史小谷 俊雄藤枝 雄一郎加藤 将近 祐次郎奥 健志堀田 哲也保田 晋助渥美 達也
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2012 年 24 巻 2 号 p. 118-124

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抄録
目的:IFX高用量投与における有効性,安全性はRising試験で示されたが,疾患活動性に応じたIFX増量法の有効性に関する報告は少ない.
対象・方法:DAS28が3.2以上の場合にIFXを6mg/kg,7.5mg/kg,10mg/kgに増量し,必要時に6mg/kg/4週に短縮するon demand IFX増量プロトコルを作成し,2009年7月以降にIFXを導入した全例にプロトコルに従って治療を行った.このプロトコルの有用性,安全性について過去の対照と比較検討した.
結果:2003年以降に当科でIFXを投与開始されたRA患者は90例であった.2009年7月以降にIFXを投与開始しプロトコルに沿って治療した患者19例を増量群とし,過去の22例を対照群とした.罹病期間,治療開始時DAS28,MTX量,PSL量に有意差はなかった.増量群は早期脱落例が無く,継続率は向上した.増量群における54週後の低疾患活動性達成率はDAS28ESR≦2.6,SDAI≦3.3,CDAI≦2.8の基準でそれぞれ有意に向上していた.治療関連合併症の発生率に差は無かった.
結論:疾患活動性に応じたIFX増量および間隔短縮は継続率を高め,寛解達成率を向上させる忍容性の高い治療法と考えられた.
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© 2012 一般社団法人日本臨床リウマチ学会
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