臨床リウマチ
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総説
膠原病の間質性肺炎
槇野 茂樹
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2012 年 24 巻 3 号 p. 165-171

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抄録
   間質性肺炎は肺間質に病変を持つ炎症性疾患のうちUIP(IPF)を中核病変とし,その周辺疾患であるDAD,COP(OP),UIP,NSIP,DIP,RB-ILD,LIPに限定された疾患群であり,そのうち前4者がある程度の頻度で膠原病に合併して認められ,その生命予後に大きな影響を与える.4者は時相より,急性/亜急性型のDAD,OPと慢性型のUIP,NSIPに大別される.急性/亜急性型のDAD,OPは,どの膠原病にも合併しうるが,RA,DM/PMにより多く合併する.その臨床的特徴,治療反応性,予後は特発性のものと比し大きな差異がない.一方,慢性型のUIP,NSIPは,合併する膠原病によりその臨床的特徴,治療反応性,予後に差がある.合併頻度は,強皮症(SSc),DM/PM,顕微鏡的多発血管炎(MPA)で高頻度,RAでは中頻度,SLE,原発性シェーグレン症候群では低頻度である.病型ではRA,MPAではUIP優位,SSc,DM/PMではNSIP優位である.予後はUIPでは特発性のものより良好である.NSIPでは全体として特発性のものと差異がないが,各膠原病でみるとSScに伴うものは予後良好で,DM/PMに伴うものは予後不良であり大きな差異がある.慢性型のUIP,NSIPは合併する膠原病で特徴が異なると言える.
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© 2012 一般社団法人日本臨床リウマチ学会
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