2014 年 26 巻 1 号 p. 57-62
27歳男性.25歳時に難治性ぶどう膜炎と再発性アフタ性口内炎より不全型Behçet病と診断された.治療抵抗性の眼病変に対しインフリキシマブ(IFX)を開始した.IFX投与により眼病変は改善した.IFX開始の15か月後に発熱,頭痛,ろれつが回らないなどの症状が出現した.髄液IL-6の上昇を認めたため神経Behçet病(NBD)と診断した.IFX投与中にNBDを発症したBehçet病の報告はない.IFX単独ではNBDの発症を完全には予防できない可能性が示唆された.