抄録
関節リウマチ(RA)の間質性肺炎(IP)は多彩で,慢性型のUIP(usual interstitial pneumonia),NSIP(non-specific interstitial pneumonia)や急性/亜急性型のOP(organizing pneumonia),DAD(diffuse alveolar damage)をかなりの頻度で合併する.急性/亜急性型のOP,DADは経過,予後共に特発性同様にOPで良DADで不良である.DADには慢性型IPの急性増悪,感染続発,薬剤誘発,DM続発が見られる.慢性型IP合併率は5-15%で,UIP,NSIP共に同じ位の頻度である.予後はUIPで不良NSIPで良であり,UIPは特発性のIPFと同程度に不良である.IP進行による死亡は少数である.慢性型IP管理では,薬剤性肺炎のリスク回避,肺癌の早期発見,IP進行の制御が必要であるが,進行制御は可能と考える.IP合併RA治療では,使用薬剤,特にMTXの使用に制限がある.タクロリムス等で補うが不十分な病勢制御を甘受せざるを得ない.生物学的製剤に関しては,感染に注意すれば,使用可能と考える.