臨床リウマチ
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原著
抗TNF製剤3剤の早期臨床効果の比較~ゼロヨン研究~
平野 裕司平原 慎也大石 幸由
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2014 年 26 巻 4 号 p. 291-297

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抄録
目的:抗TNF製剤3剤(インフリキシマブ;IFX,エタネルセプト;ETN,アダリムマブ;ADA)の早期臨床効果の比較検討.
対象・方法:IFX,ETN,ADAを導入した関節リウマチ例で,MTX併用かつ生物学的製剤ナイーブ例のデータを使用.IFX群(64例)は開始時と6週時のデータ,ETN群(43例)とADA群(24例)は開始時と4週時のデータを使用.各期間における指標(DAS28-ESR,DAS28-CRP,VAS,CRP,ESR,mHAQ)の改善値(d)と改善率(%)を調査した.ETNでは週25mg群と週50mg群を比較した.
結果:平均d-DAS28-ESRはIFX群1.20,ETN群1.20,ADA群1.11.平均d-CRP(mg/dl)はIFX群2.1,ETN群2.1,ADA群2.3.平均%DAS28-ESRはIFX群22.3%,ETN群22.0%,ADA群18.3%.平均%CRPはIFX群56.4%,ETN群64.7%,ADA群56.9%.その他の指標も含めて,3群間に有意差は認めなかった.ETN週25mg群と週50mg群の比較では,平均dDAS28-ESRは週25mg群が1.32,週50mg群が1.01であり両群間に有意差は認めなかった.
結論:抗TNF製剤3剤の早期臨床効果はほぼ同等だった.ETNにおいては週25mgと週50mgの間に早期臨床効果の差異はなかった.
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© 2014 一般社団法人日本臨床リウマチ学会
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