臨床リウマチ
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原著
プロトコールに基づく関節リウマチに対するインフリキシマブ増量・短縮療法の治療効果 〜実臨床下での増量後の減量・休薬の可能性〜
日髙 利彦橋場 弥生西 英子甲斐 泰文黒田 宏前田 啓一
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2016 年 28 巻 4 号 p. 260-270

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抄録

目的:関節リウマチ(RA)患者に対するインフリキシマブ(IFX)増量効果と増量後の減量・休薬について検討した.
対象及び方法:対象は当院でIFX増量を行ったRA患者50例(男性4例,女性46例).IFX4回目以降に活動性が残存していれば速やかに段階的増量(3[8週 (8W)]→6[8W]→10[8W]または6[4週 (4W)]mg/kg(以下mg))を行い,低疾患維持で段階的に減量(10[8W]または6[4W]→6[8W]→3[8W]mg),更に3[8W]mgで寛解を6ヶ月維持できれば,患者の希望でIFX休薬とした.その治療効果と増量後の減量・休薬について調べた.
結果:IFXの増量により全てのACRコアセット項目の改善,寛解率の上昇を認めた.14%が6[8W]mg,86%が10[8W]または6[4W]mgまで一旦増量された.最終観察時,20%が10[8W]mgまたは6[4W]mg,8%が6[8W]mgで治療中,18%が3[8W]mgまで減量(14%は休薬基準を満たしたが患者希望で継続),18%が寛解中止となった.種々の理由で36%が中止された(有害事象8%,効果不十分16%,MTX中止8%,転院2%,経済的理由2%).
結論:プロトコールに基づくIFXの増量療法はRAの治療として有用である.更に,IFX増量後も減量可能で,その一部の症例は一旦中止できる可能性が示唆された.

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© 2016 一般社団法人日本臨床リウマチ学会
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