2016 年 28 巻 4 号 p. 251-259
目的:メソトレキサート(MTX)にて一旦寛解ないし低疾患活動性に維持された関節リウマチ(RA)においてMTXの減量を試み,減量後の再燃の有無を調査し,その臨床的意義に考察を加えた.
対象および方法:寛解ないし低疾患活動性に1年以上維持されたRA26例(男性3例,女性23例,年齢61±12歳,罹病期間9±4年)(寛解群),対照として,有害事象でMTXを減量ないし中止したRA12例(男性1例,女性11例,年齢60±10歳,罹病期間9±6年)(有害事象群)について,減量後の臨床的活動性を後方視的に調査し,減量後再燃した群としなかった群について臨床的背景を比較した.
結果:MTX投与期間は有害事象群に比べ寛解群で長い傾向(p=0.1)を,MTX減量後のMTX量は有害事象群で有意(p=0.033)に低かった.寛解減量群では再燃が26例中11例(42%),有害事象群では11例中7例(64%)で,有害事象群で再燃が多かった.寛解群では再燃後も11例中9例でMTXの減量を継続していた.有害事象群で再燃した7例のうち肝障害の4例中3例でMTXを再開した.
結論:MTX投与にて寛解ないし低疾患活動性を1年以上維持した26例中15例(58%)で再燃を来さずMTX減量継続が可能であった.再燃した11例(42%)でも,他の治療を付加することにより9例で減量継続が可能であり,MTXにて低疾患活動性以下に1年以上維持されたRAではMTX減量は一つの治療手段に成り得ると考察した.