臨床リウマチ
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誌上ワークショップ 膠原病治療Update:BIOLOGICSを中心に
関節リウマチ合併二次性シェーグレン症候群に対するアバタセプトによる新規治療戦略
坪井 洋人松本 功萩原 晋也廣田 智哉高橋 広行江辺 広志横澤 将宏柳下 瑞希高橋 秀典藏田 泉大山 綾子本田 文香浅島 弘充三木 春香梅田 直人近藤 裕也平田 信太郎齋藤 和義田中 良哉寳來 吉朗中村 英樹川上 純住田 孝之
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2016 年 28 巻 4 号 p. 284-298

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抄録

目的:関節リウマチ(RA)合併二次性シェーグレン症候群(SS)に対するアバタセプトの有効性と安全性を明らかにする.
対象・方法:RA合併二次性SSを対象に,オープンラベル,多施設共同,前向き観察研究(ROSE trial)を行った.主要評価項目はアバタセプト開始52週後の,Simplified Disease Activity Index(SDAI)の寛解割合,副次評価項目として,唾液分泌量(サクソンテスト),涙液分泌量(シルマーテスト)を評価した.また観察期間中に発生した有害事象を解析した.
結果:36例(54.9±14.0歳,全例女性)が登録された.アバタセプト開始後,SDAIは20.6±11.2(0週)から10.0±10.5(52週)に有意に低下(P<0.05),SDAI寛解を達成した症例は0例から12例(33.3%)に増加した.唾液分泌量は2136±1809(0週)から2397±1878(24週)mg/2分に有意に増加した(N=34,P<0.05).涙液分泌量は4.2±4.8(0週)から6.4±7.8(24週)mm/5分に有意に増加した(N=30,P<0.05).36例52週の観察期間で,継続率は80.6%(29/36例),有害事象は12件10症例で発生し,うち7件は感染症であった.
結論:RA合併二次性SSのRA所見,SS所見に対して,アバタセプトの有効性が示された.

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© 2016 一般社団法人日本臨床リウマチ学会
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