臨床リウマチ
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誌上ワークショップ 膠原病治療Update:BIOLOGICSを中心に
多発性筋炎・皮膚筋炎に対する生物学的製剤治療
上阪 等
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2016 年 28 巻 4 号 p. 299-303

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抄録

   厚生労働省研究班が策定し,3学会が認証した多発性筋炎/皮膚筋炎(PM/DM)ガイドラインでは,治療は副腎皮質ホルモン薬と低分子免疫抑制薬が主体とされ,必要に応じて生物学的製剤の元祖とも言える免疫グロブリン製剤の使用が推奨されている.現在,遺伝子組換え技術を応用して作られた生物学的製剤はこれらの治療薬での不応例に試されている段階である.このうち,関節リウマチ治療に革新をもたらした腫瘍壊死因子(TNF)阻害薬は効果が一定せず,インターロイキン(IL)-1阻害薬は効果がなかった.現在,IL-6阻害薬による臨床試験が米国で予定されているところである.同じ米国では,B細胞除去をもたらすリツキシマブによるランダム化二重盲検試験が行われた.しかし主要評価項目で偽薬と差がつかず,サブ解析によって一部の症例に対する有効性が示唆されたにすぎない.今後,その一部に含まれる筋炎特異的自己抗体陽性例に限って臨床試験が行われる可能性もある.CD28分子を介した刺激を遮断してT細胞活性化を抑制するアバタセプトは欧州で多施設オープンラベル試験が終了し,その有効性が示された.今後,薬事承認を目指した本格的な臨床試験が望まれる.このように,これまでは,関節リウマチ治療で使用される様々な生物学的製剤がPM/DM治療に試されてきている.今後,PM/DMの病態理解が進み,その病態の中核に迫る生物学的製剤が開発されることが望まれる.

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© 2016 一般社団法人日本臨床リウマチ学会
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