2017 年 29 巻 2 号 p. 85-97
メトトレキサート(MTX)と生物学的製剤(bDMARD)の使用により,関節リウマチ(RA)の治療は格段の進歩をとげたが,リウマチ専門医の数は限られており,各県のリウマチ専門病院の数も少ない.当センターの位置する新潟県は,冬季の悪天候があり,山形県や福島県など,近隣の県から通院している患者や佐渡島から通院している患者は,緊急時に当センターを受診できないという状況にあるため,bDMARD使用患者はあらかじめ地域の総合病院に紹介をし,緊急時の対応をお願いしている.bDMARDの自己注射の不可能な患者,骨粗鬆症治療薬などの,週に一回,あるいは月に一回の皮下注や静注製剤は医療連携で投与を行っている.また,当センターでは,隣接する総合病院の県立新発田病院からの大腿骨近位部骨折患者を中心とした整形外科疾患患者や脳血管障害患者を,回復期リハビリ病棟に受け入れ,リハビリテーションを行っているが,大腿骨近位部骨折患者では,再骨折予防についてかかりつけ医との医療連携を行っている.2015年からは当院で退院処方としてビスホスホネート製剤を処方し,かかりつけ医に継続を依頼している.また,骨折後のフォローアップ,骨粗鬆症治療薬の処方状況の確認などは,県立新発田病院に新たに開設された骨粗鬆症特殊外来で行うシステムを構築した.