2017 年 29 巻 3 号 p. 164-172
目的:MTX関連リンパ増殖性疾患(MTX-LPD)には,未解決の臨床的問題点が多いため,当科で経験したMTX-LPD症例の検討を行った.
方法:当科において2005年~2015年の間に発症したMTX-LPD27症例についてカルテ調査を行った.
結果:LPD発症はMTX使用量が多い2011年以降により多かった.肉眼的病変部位は8例がリンパ節病変のみ,5例が節外臓器病変のみ,14例では両者に病変を認めた.病理組織検査は25例に施行,びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫(13例),ホジキンリンパ腫(6例)の順に多かった.EBER-ISHは11例に施行され,うち9例が陽性であった.LPD発症時の可溶性IL-2レセプター(sIL-2R)値は8047±10496 U/ml (n=24)で,臨床病期が進行しているものほど値は高くなる傾向にあった.「MTX中止のみでLPDが寛解し,以後LPDの再発なし」の経過をたどったLPD予後良好群ではそうでない群と比較してsIL-2R値が有意に低かった.MTX中止によってLPDが寛解したものは27例中14例だったが,うち5例が再発した.26例中18例でRAの増悪がみられ,うち5例に生物学的製剤が投与され,うち1例にLPDの再発があった.LPD寛解後,RA増悪あり群18例からは7例のLPD再発があったが,RA増悪なし群8例からは1例だけであった.
結語:当科で経験した MTX-LPD症例はMTX使用量の増加やEBウイルスとの関連が考えられた.またsIL-2R低値が予後良好の経過には必要であり,LPD寛解後の再発はRA増悪に引き続いて起こる症例が多かった.