臨床リウマチ
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誌上ワークショップ 関節リウマチ precision medicineの可能性
関節リウマチに伴う肺病変のバイオマーカー
古川 宏岡 笑美當間 重人
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2020 年 32 巻 4 号 p. 318-322

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抄録

 関節リウマチ(RA)は関節破壊を引き起こす全身性炎症性疾患である.RAは関節病変以外にも関節外病変を伴う.関節外病変には間質性肺病変(ILD),気道病変(AD)のほかに,皮下結節,心外膜炎,胸膜炎,Felty症候群,血管炎などがある.種々の抗リウマチ薬や生物学的製剤は関節破壊抑制に極めて有効であるが,関節外病変には有効ではないものも多い.中でもRAの10%強に合併するILDは生命予後に重大な影響を及ぼしうることが知られている.RAに伴うILDは緩徐に進行することが多いが,時に急性増悪を起こすこともある.ILDの急性増悪には抗リウマチ薬などの薬剤やPneumocystis jiroveciiなどの感染症が関与している可能性もある.ILDの既存のバイオマーカーにはKL-6, SP-Dがあるが,これらはカットオフ値が特発性間質性肺炎も含めて設定されており,RAに関連するILDには低感度である.このため,RAに伴うILDのバイオマーカー開発は極めて重要な研究課題である.そこで,ゲノムDNAのほかにも,血中のサイトカイン類,アミノ酸などの代謝物,マイクロRNA(21-23塩基長のノンコーディングRNA),抗体,メタボロームなどを網羅的に測定し,RAに伴うILDの新規バイオマーカー候補の探索を行ってきた.その結果を報告する.

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© 2020 一般社団法人日本臨床リウマチ学会
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