臨床リウマチ
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関節リウマチの肺病変:その評価と対処法
桑名 正隆
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2022 年 34 巻 3 号 p. 173-183

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抄録

 関節リウマチ(RA)の治療は大きく進歩を遂げ,多くの症例で関節炎を沈静化し,関節破壊を防止することで生活の質を維持し,長期予後を改善することが可能になった.治療効果を最大化するためには,治療目標を目指して疾患修飾抗リウマチ薬を適切かつ頻繁に調整することが前提となるが,合併症・随伴症がその障害となる.最も高い合併症・随伴症は呼吸器病変で,関節外症状の間質性肺疾患,気道病変に加えて,感染症,薬剤などに対する過敏性肺障害,悪性腫瘍など多彩な病変をきたす.これら呼吸器病変は生命予後を悪化させるだけでなく,関節炎に対する治療戦略にも影響を及ぼす.したがって,RAに伴う多彩な呼吸器病変に対するリスク評価,モニタリング,必要に応じた対処がRA治療成功の鍵となる.

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© 2022 一般社団法人日本臨床リウマチ学会
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