臨床リウマチ
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総説
全身性強皮症の手指潰瘍・皮膚潰瘍の実臨床
植田 郁子
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2024 年 36 巻 2 号 p. 70-77

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抄録

 ACR/EULARの全身性強皮症(SSc)分類基準(2013)および本邦のSSc診断基準(2016)において,SScにおける指尖部血管病変に関わる臨床症状は,診断の際の重要な所見に位置付けられている.血管病変の臨床像は,レイノー現象,指尖部の瘢痕,指趾の潰瘍,壊疽と様々で,血管病変の重症度の違いと考えられている.症状は一進一退を繰り返し,徐々に進行する.SScにおける潰瘍の出現は70%以上で,壊疽は10%程度,外科的な切断が5%程度,さらに大切断は1%程度におこる可能性があるといわれている.SScの潰瘍病変を診たら,他の末梢動脈疾患と同様の検査を用いて,血管病変を客観的に評価する.具体的にはankle-brachial pressure index(ABI)やskin perfusion pressure(SPP),サーモグラフィー,下肢血管ドップラーエコー,血管造影などがあげられる.これらの画像検査所見を参考に今後の治療を検討する.治療は血流改善薬や潰瘍治療外用薬の治療など保存的治療を主体とする.①感染が制御できない,②傷の痛みが制御できない,③血流改善治療による改善の見込みがないなどの理由があれば,切断が必要であると考えられる.ただし,その後の傷が治りにくい可能性や,下肢切断を選択する場合には周術期リスクが高いことなどに留意する必要がある.安易な切断は避けなければならない.

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© 2024 一般社団法人日本臨床リウマチ学会
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