臨床リウマチ
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特集
家族性地中海熱の診断と治療の進歩
古賀 智裕
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2026 年 38 巻 1 号 p. 17-22

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抄録

 家族性地中海熱(Familial Mediterranean Fever: FMF)は,MEFV遺伝子バリアントに起因し,周期的な発熱と漿膜炎を繰り返す代表的な自己炎症性疾患である.従来は地中海沿岸諸国に高頻度に認められる疾患とされてきたが,近年の遺伝子検査の普及や症例報告の蓄積により,日本を含む非地中海地域からも多数の症例が報告されるようになった.FMFの病態はPyrinインフラマソームを介した炎症応答の異常に基づき,IL-1βやIL-18の過剰産生,さらに二次的な炎症性サイトカインの放出を引き起こすことが特徴である.日本人FMF患者は中東地域の典型例と比較して,エクソン10変異の頻度が低く,E148QやP369S/R408Qといった低浸透度変異の割合が高いことが明らかとなっている.診断の際には反復する発熱や臨床症状に加え,MEFV遺伝子解析およびコルヒチン反応性の評価が重要である.治療においては,コルヒチンが第一選択薬として確立しており,発作抑制と長期的なAAアミロイドーシス予防に有効である.しかし,不耐症例や十分な効果が得られない症例も存在し,その場合にはIL-1阻害薬の有効性が報告されている.近年はこれらのエビデンスを踏まえ,段階的に治療を選択していくアルゴリズムが提唱されており,患者ごとの遺伝学的背景や臨床像を踏まえた個別化医療の重要性が一層強調されている.

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