抄録
台湾の独立と統一を巡る議論において、両主張の源流を捉えておく作業は不可欠である。両論を牽引す
る代表的アクターの言論を検証すると、台湾独立の主張が、中国共産党による併合の脅威と中国国民党の
独裁統治への反発によって形成され、その後も国共連携への警戒や言論の自由化によって強化されている
ことが確認できる。これは中国による平和統一の余地が縮小していることを示唆する。一方の中国による
統一の主張は、習近平政権の政治アジェンダによって強化されたが、中国共産党の台湾政策が政権によっ
て大きく異なることが確認できる。これは今後の政権が現政権とは全く異なる政策を選択し得ることを示
唆している。