抄録
本論文は,低レベル放射性廃棄物処分施設のうち日本で初めて建設される余裕深度処分施設において,放射性核種の拡散による移行を抑制するための人工バリアとなる低拡散層を,実規模で試験し,前もって選定した材料の種類と配合について,その施工性を含めた初期性能(設計対応による機能低下の抑制が可能な期間の性能)についてまとめたものである。実規模試験は,実際の施工環境を模擬した地下100mの試験空洞内に建設し,この時の施工性能,圧縮強度,静弾性係数,空隙構造,実効拡散係数,ひび割れの抑制効果を検討し,評価して,その初期性能を示した。また,放射性核種の一つであるトリチウムを使用した拡散係数取得方法について検討し,試験条件を提示し,算出方法の説明性の向上が可能な手法を提案した。