コンクリート工学論文集
Online ISSN : 2186-2745
Print ISSN : 1340-4733
ISSN-L : 1340-4733
X線撮影を用いたRC部材内の鉄筋腐食成長過程の可視化に関する基礎的研究
秋山 充良中嶋 啓太小森谷 隆
著者情報
ジャーナル フリー

2011 年 22 巻 3 号 p. 3_35-3_45

詳細
抄録
鉄筋コンクリート(RC)部材内で生じる鉄筋腐食の進展を観察できれば,鉄筋腐食の不均一さ(腐食の空間分布)の程度と形成過程の理解,あるいは,それと部材表面に表れる腐食ひび割れ幅・密度の関係の把握など,RC構造物の維持管理の高度化につながる情報が得られると期待される。本研究では,RC部材内の鉄筋腐食成長過程のX線撮影による観察の可能性を検討した。まず,腐食量が既知の鉄筋を埋め込んだRC供試体のX線撮影を行い,腐食量を精度良く再現するための撮影方法やディジタル画像処理方法,あるいは精度に及ぼすかぶりや水セメント比の影響などを検討した。次いで,電食にて劣化させたRC部材を連続的にX線撮影することで,鉄筋腐食成長過程,鉄筋腐食量と腐食ひび割れ幅の関係,あるいはそれらが部材曲げ耐力に及ぼす影響に関する基礎資料を得た。
著者関連情報
© 2011 公益社団法人 日本コンクリート工学会
前の記事 次の記事
feedback
Top