抄録
無機粉体をコンクリートに外割混合することで,その粉体に水硬性がなくとも,圧縮強度が増加することが知られている。しかし,このときのメカニズムについては不明な点が多く,副産物として発生する粉体を外割混合したコンクリートの圧縮強度を調合設計の段階で推定する手法は必ずしも確立されていない。本論文では,コンクリートに粉体を外割混合することで硬化体の総細孔量が変化せずとも個々の細孔が微細になり,その結果,圧縮強度に悪影響を与える50nm以上の細孔量が減少することに着目した。そして,コンクリートの調合から50nm以上の細孔量を一義的に予測する手法,および50nm以上の細孔量と圧縮強度の関係を示すことで,各種粉体を外割混合するコンクリートに適用可能な圧縮強度の推定式を導いた。