抄録
ブレースを用いない耐震補強工法へのニーズの高まりを背景に,新しい外付け耐震補強法を提案した。本工法は鋼製柱によりRC柱の外付け補強を行おうとするもので,既存躯体とは梁部分のみを間接接合部で接合しており,既存躯体から独立した鋼製柱の曲げに対して間接接合部が回転抵抗する抵抗機構である。3体5種類の柱の逆対称加力実験を行い,本補強工法の補強効果を確認した。柱実験に加えて4体の接合部実験を行った。梁部間接接合部の性能を把握するとともに,簡易モデルによる挙動予測を行い,同工法の接合部の設計法の提案を行った。